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2005年という年は私にとってかなり大きな展開をした年だった。

2002年にヨーロッパの旅に出た時には、もうこれでこんな根無草な生活は終わりにしようと決めていた。誰に咎められたわけではない。もちろん心の中で咎めている人はいたかも知れないが直接それを人から言われたわけではなく、純粋に自分の居場所をきちんと見つけたいと思っていたのだ。仕事を始め毎日の生活をこなし、そして自分の落ち着き先を模索していた。世間体の問題はさておき、年齢からしても体力、精神力も衰えていたし今からまた自分をゼロにするつもりは更々なかったのだ。自分の気持ちを抑えているつもりもなかったのだが、毎日同じ生活を繰り返しているうちに、そして仕事が異常に忙しくなってくるにつれて、私の中で何かが弾けた。

何がきっかけだったのか、何故そういうことになったのか、未だにわからない。ただある瞬間に突然思ったのだ。「何故もうできない」と思っていたのだろう、と。

本当はずっと焦っていたのだ。自分が求めている方向に自分が進めていないことを。欲しいものがどうしても手に入らないことを。だがその瞬間にそれら全てのことが突然別の方向に向かいだした。

行動を起こそうと決めた頃、「私に足りないものは・・・」と自己分析をしようとした私に「足りないものって、一体何と比べているの?」と問いかけてくれた人がいた。いつも必ず何かを私に気付かせてくれる大切な友人だ。その時、「あれ、ほんとだ。何と比べてるんだろう。」とは咄嗟に口をついて出た言葉。考えたこともなかったけれど常に無意識に何かと比べて焦っている自分がいたのだ。もっと自分を認めてあげなければどこかで沈没してしまうよね。

雑音に耳をふさぎ、心を無にしてみると自分の本能が求めるものが見えてくる。その思いを素直に自分で受け止めてみようと思った。だから今私はここにいる。

これから先がどうなってゆくのか全くわからない。この年になってそんなことを言っていること自体私は甘ったれた人間だ。だがこれが今私の目の前にある現実。そうであればこの一瞬一瞬を無駄にしないようにきちんと過ごしていきたいと、今そう思っている。