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Anneの仕事が終わるのを昔のように待っていた私、その間にどうしようか考えていた。
何をかって私はYHに既にこの先2泊の予約を入れ支払も済ませていたのだった。
Anneは1人暮らしで気軽に2泊いてもいいわよ、と言ってくれていたけど
最終日の朝バスに乗る予定だったのでバス乗り場に近いところにいたほうが便利だしなぁ、
でも・・・。なんて色々考えていたわけ。
Anneはいつも押し付けがましくなくて
この時もうちは2泊してもらっても構わないけど
Ogarinの都合のいいようにしてねと言ってくれていた。
(ちなみにOgarinとは呼ばれていない、念のため。笑)

そう、私はこのAnneが大好きなのだった。
その時期の滞在で私は4つのホストファミリーにお世話になった。
(正確に1週間滞在とか入れるともっと増えるのだが) 
残念なことにあまりにもうまく行かなかった最初のおうちを除き
どの家もとても楽しく滞在したのだがその中で子供のいない家はAnneの家だけだった。
実際には最初は20歳くらいの息子さんが一緒だったんだけどね。
1週間くらいで就職か何かで家を出たのでそれ以降はAnneと2人っきり。
バランスがよかったのはそのAnneの娘さんNikiが結婚して近所に住んでおり
そこに1才になる女の子Katjaがいて時々そこを訪ねたりKatjaを預かったりしていたこと。
新しくAnneが引っ越した先はその娘さん家族の住む場所のすぐ隣。
そこの土地をAnneが購入して家を建てたのだそうだ。

スコットランドからの移民であるAnneは英語もちょっぴりスコティッシュ。
ほんの少しだけ癖のあるその英語がなんだか好きだった。
そして料理がとてもうまかった。
それまでのお家でももちろん美味しいものを食べてはいたけどやっぱりNZの家庭料理。
ほぼ毎日お肉と付け合せのポテトと野菜のパターンは変わらなかった。
だがAnneはさささっと必ず一手間かけたものを創ってくれて
その上プディング(デザート一般をさす)も本当に美味しかった。
最初は手伝おうとしていたのだが却って邪魔だと気付き
途中から料理には手を出さず片付けを一緒にやるパターンが定着したのだった。
考えてみればAnneって日本人ぽかったのかも。
Anneの家にステイするようになるまで既に半年以上NZで過ごしていた私、
元々の性格と相俟ってほとんどのことが気にならなくなっていたのだ。
何しろAnneがお皿にラップをかけて冷蔵庫に食べ物をしまっていただけで
なんてきちんとした人!と本気で驚いたのだから(笑) 
いや、私はちゃんとラップかけてますよ・・・。

でも私がAnneがとても好きな理由はそこにあるわけではない。
Anneの気遣いはとてもさりげないのだ。
一見然程愛想がよいタイプではなく第一印象は怖そう~だった。
NZ人はフレンドリーな人が多く最初からウェルカムッ!!!という雰囲気を醸し出す人が多い。
それはもちろん素敵なことなのだがそれが時として表面だけだったりもする。
Anneはその反対のタイプ。
ふだんから感情を然程表にはせず淡々としていて、
だけどその時に必要なことを察知して気が付けばこちらが負担にならない形で用意してくれる。
口ばかりになる人が決して少なくない中で本当にありがたい存在だった。
そしてふだん大げさな表現などしない
彼女だけに最後に別れる時にハグして言ってくれた
"I'm going to miss you."は本当に心に響いたのだった。

さて考えた末せっかくのお誘いを受けることに。
但し最終日はYHにいたほうが都合がよいということで
YHをキャンセルせず大きな荷物は置いたまま
この日だけAnneのお家にお世話になることにした。
その際のAnneの段取りもね、私的には完璧なわけ。
Anneの車に乗り込んだ私、荷物を取ってくるためにYHまで贈ってもらうことに。
そこで降ろしてくれてだいたいどのくらい掛かりそう?と聞き、
じゃあ何時何分にここでもう一回集合ね、と無駄なく決断。
そしてその時間までには必要な買物なども済ませているという動きのよさ。
どうしよっか?どうしよっか?と遠慮しあってモタモタすることがないのだ。
多分このリズムが私と合っているのだ。

私は荷物を準備しAnneは買物を済ませいよいよAnneの新しい家へ。
元々のお家に比べ随分と立派な大きな家でここに1人なんだから大きすぎたのよと笑ったAnne。
この町でやることがあるならここにまた住みたいと本気で思った(笑) 
さて食事の前にひとまずのんびりタイム。
ワインを開けてくれちょっとしたつまみを前に何となくお喋り。
当時の話や今の自分達の話もしたけど何故か普通の世間話も沢山(笑) 
前日まで突然来てしまったことが不安だったのが嘘のように8年の月日は一気に繋がってしまった。
他に家族がいなかったから元々話はよくしていたけどこんなに話したことあったっけ?
ってくらい話したかも。
それにしてもほとんど変わらないわねと言った後、
ああでもひとつだけ、英語がうまくなった、と言ってくれた。
これは私の中では相当な誉め言葉。
Anne曰く以前はもっと途中で考えながら話してたけど今はもっと自然、と。
お世辞など言わないAnneの言葉だっただけに本当に嬉しかった。

そんなこんな、弾丸のように2人で話し続けているとそこにピンポーン!と。
となんとお隣からNikiがやってきた!(しかもタマゴを借りに、笑) 
で私の顔を見て彼女もまた「あ~!!」と。
覚えていてくれたのがこれまた本当に嬉しくてそしてKatjaもいるから、とご挨拶にNikiのお家へ。
そこには既に8歳になったKatjaと5歳の弟が。
当時まだお喋りもしない赤ちゃんだったのに背がすらっと伸びて
(下手すると私と変わらないかも・・・)、
髪も女の子らしく2つに結んで、ただ瞳だけは当時と同じ蒼くてくるくると動いていて。
なんだか色んなことに感動してしまった。
実はNikiは私よりずっとずっと若くて、
でも当時からとても落ち着いていて大人っぽくて何となく近寄りがたかった。
Anneが時間がないときなどに私をバス停まで乗せて行ってくれたりして
話す機会はあったと思うのだけどあまり話した記憶がない。
Anneに似てとても親切だけどやっぱり感情を露にする人ではなく
向こうからがんがんと話してくるタイプでもなかったから。
でも今回再会してみて今だったらもっと話が出来てよい友達になれただろうと思った。
多分これは私の成長。
長いオーストラリア旅行で出来た友達の存在が私に自信をくれていたのかも知れない。
余談だがこのNikiのご主人はNZで自転車のオリンピック代表だった人。
学校にも自転車を持って話をしに来てくれていた。
今は引退して消防団をやっているらしい。
きっと今なら彼とももっと話をできたんだろうなぁ。
まぁ当初は遠征ばかりであまり家にいなかったから会った回数も少なかったんだけど。

と、そんな風に夜は更け夜私のベッドとなったのが写真。
話が長すぎて写真が随分遠くなってしまったが(笑) 
ベッドは違ったけど鏡台は以前私が使っていたものでとても懐かしい気分。
今ここにいられることに本当に感謝して眠りについたのだった。

ちなみに翌日。
Anneが学校に出る時間はかなり早いのだがそれに合わせて出るつもりだった私に
好きな時間までいていいからと。
それはあまりにも申し訳ないと思ったけど結局またお言葉に甘え
Anneにお礼とお別れの挨拶をして玄関から送り出し(何故に私が送り出すんだか、笑) 
そして支度をしてお家を出たのだ。
本当に感謝。
この前会ったのは8年も前で次にいつ会えるかもわからないけど
一生、いや生涯を超えてもこの人とは縁が続くんだろうななどとと思いながら
YHまでのんびり歩いたのだった。

本当はKarenのお家に遊びに行った話も書くつもりだったけど
ちょっと長くなりすぎたのでそちらは次回に。
全くの独り善がり、ここまで読んでくれてありがとう(^^)